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若き日のビートルズ。下積み時代の仰天エピソード
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若き日のビートルズ。下積み時代の仰天エピソード

芸能や音楽の分野では、多くの技術と経験が必要とされるので、誰しもが下積み時代を経験していることだと思います。

世界中でもっとも有名とされているビートルズにも下積み時代があったのですが、そのエピソードを紹介したいと思います。

あのビートルズにも下積み時代があった!

多くのアーティストがそうであったように、ビートルズにも下積み時代がありました。

彼らがキャバーン・クラブのレギュラーバンドになったのがプロとしてのスタートだとすると「ラブ・ミー・ドゥ」をリリースした1962年10月5日までが下積み時代だったということになります。

この頃の彼らの演奏は「アンソロジー」などで聴くことができます。

まだまだ粗削りでしたが若々しさにあふれた魅力があります。

この頃の彼らは、まさに典型的なロックンローラーであり、リーゼントに黒の革ジャン、ブーツに身を包んでアメリカのロックンロールを盛んにコピーしていました。

ハンブルクへ出稼ぎに

プロにはなったもののそこはローカルバンドの悲しさ、地元ではそこそこ売れていたものの、もちろん、レコードなど出したこともなく、稼ぎもしれていました。

そんな彼らにおいしい話が舞い込んできます。

マネージャーのアラン・ウィリアムズの知人のドイツ人が西ドイツのハンブルクで酒場を経営していたのですが、そこで演奏するバンドを紹介してくれとオファーが来たのです。

しかも、結構良いギャラを提示してきました。

当然、彼らは一儲け(ひともうけ)できると飛びつき、早速船に乗ってハンブルクへ向かいました。

ハンブルクは、港町という点でリバプールと土地柄が似通っていました。

世界中の船員が集まってきて、夜になると酒場へ繰り出すのです。

そして、ビートルズが出演することになった「インドラ・クラブ」もそんな酒場の一つでした。

ちなみにキャバーンはクラブでしたがアルコールは禁止でした。

お客も上品とは言えませんが、ちゃんと演奏を聴いてくれました。

しかし、インドラ・クラブのお客はほとんどが荒くれ物の船員たちで、しかも、彼らのお目当ては酒と女性で、飲んで大声で騒ぎ、ロクに音楽なんか聴いていません。

ビートルズは、はじめキャバーンと同じスタイルで演奏してたんですが、それでは一向に盛り上がりませんでした。

それで、支配人のコシュミダーが「ショーをもっと盛り上げろ!」と盛んに彼らにハッパをかけました。

ビートルズ・スタイルの誕生

そこで、彼らも少しでも自分たちの演奏を聴かせようと、ビートの聴いたサウンドをガンガン出し、「ワオ!」「ギャー!」と大声でシャウトしたり、頭を振ったりしてお客の目を舞台に向かせようとしたのです。

そうです。

ここであの「ビートルズの演奏スタイル」がついに誕生したのです。

彼らは、どうやったら客に受けるか必死であれこれ試しましたが、それが受けているのかどうかは分かりませんでした。

彼らは、1日平均すると5~6時間、長い時は8時間も演奏していました。

若かったとはいえ、よくやりましたね。

そして、映画館の舞台裏で寝泊まりしていました。

真冬のドイツですから凍える寒さですが、暖房などありません。

しかも、トイレがすぐ近くでひどい悪臭でした。

毎晩彼らは、舞台を終えた後ガタガタ震えながら眠り、朝になると映画が上映される巨大なサウンドで叩き起こされる毎日でした。

ビートルズは、ハンブルクにある他の酒場でも演奏しました。

これは、トップテンクラブでの演奏です。

リンゴ・スターとの出会い

全くの偶然ですが、リンゴが所属していた「ローリー・ストーム・アンド・ザ・ハリケーンズ」もハンブルクへ出稼ぎに来ていたのです。

リンゴは1人で来たのですが、地理が分からず街をウロウロさまよっていました。

そして、ばったりビートルズのベースを担当していたスチュアート・サトクリフと出会ったのです。

スチュアートは優しい男で、見ず知らずのリンゴを喫茶店に連れていき、紅茶とケーキをおごってあげました。

それでリンゴはビートルズと知り合うことになり、彼らの演奏を聴きに行ったりしていました。

これはスチュアートをしのんで制作された動画です。

かなりのイケメンですね。

ピートは、ドラマーでしたが他の3人ほどハングリーではなく、ライブも時々サボりました。

ドラマーがいないんじゃ話になりません。

ある日またもピートがライブをすっぽかしたので、3人は、リンゴに代役を頼み彼も快く引き受けてくれました。

そして、ぶっつけ本番でレイ・チャールズの「ホワッド・アイ・セイ」を演奏したのですが、このドラムはルンバ・パターンでかなりテクニックが必要な難しい曲であり、大抵のドラマーが苦戦していたんです。

ところが、リンゴは、リハーサルもしていないのに完璧なリズムを刻んだのです。

ポールは、背後からパーフェクトに刻まれるリズムに驚愕(きょうがく)し、思わず隣で演奏していたジョン、そしてジョージの顔を見比べました。

彼らも同じように驚いてポールの顔を見つめていたのです。

お互い言葉には出しませんでしたが、3人は「おい!何なんだ、こいつは?すげえぞ!」と同じ思いを抱いていたのです。

この出会いをきっかけに後に最後のメンバーとしてリンゴが加わることになります。

リンゴが「ロックの殿堂入り」を果たした時に、その時の様子を語るポールです。

観客が撮影した映像なのでブレブレですが、3分37秒辺りでこのエピソードを語っています。

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